🌧勉強が「やらされるもの」になった瞬間に(1/3)

人間は本来、知りたがりな生き物です。赤ちゃんが何でも口に入れて確かめようとするように、私たちは生まれながらにして「知ること」に強い関心を持っています。ところが、そんな好奇心のかたまりのような子供たちが、ある時期から「勉強嫌い」になってしまうのはなぜでしょうか。

それは、勉強が「本人のやりたいこと」ではなく、「やらされること」になってしまうからです。

小学校受験では、プリント学習が中心になることが多いですが、子供たちは「なぜこれをやるのか」という文脈を持たないまま、突然学習を始めることになります。中学校受験でも同様です。漢字を覚える、算数の式を考える、表を書く――こうした活動の意味を十分に理解しないまま、「覚えることが当たり前」という価値観の中で勉強が進んでいきます。

たし算やひき算、かけ算の暗唱などはその典型です。低学年のうちは「先生が喜ぶから」「お母さんが褒めてくれるから」といった理由でがんばれる子もいます。でも、学年が上がるにつれて「勉強するのが当たり前」という空気が強まり、大人の反応も薄くなっていきます。

そうなると、子供のモチベーションはどんどん下がっていきます。つまり、勉強が「やらさせられるもの」になった瞬間に、子供は勉強を嫌いになるのです。