公立の小学校を選ばない、つまり附属小学校や私立小学校を選ぶメリットはたくさんあります。
1 魅力的なカリキュラム(授業・行事)
2 中学(高校・大学)への進学の優遇
3 指導力のある先生
4 教育に高い意識をもつ保護者
5 相対的に高い力をもつ子供
個人的には、子供が大人になった時に、高い地位を得ている「クラスメイト」がたくさんいるというのは、かなり大きなメリットと感じます。
しかし、これだけのメリットがあっても、受験することを選ばないというのは、受験そのものよりも、附属小学校や私立小学校に通うイメージができないことや、通学に係るネガティブな点がわかりやすく見えていることが大きいのだと思います。
わかりやすいのは、授業料や寄付金などの金銭面です。私立小学校に通えば、年間150万円は下りません。附属小学校に通えば、寄付金以外にも通学に係る交通費がかかります。
他にも時間的な負担感も見逃せません。家から遠く、通学に係る時間はそのまま子供の遊びの時間を減らすことにつながっています。さらに習い事をするなど考えると、子供が自由に過ごせる時間はとても少なくなります。
学習内容が特別難しいかといえば、これは学校によるところがあります。実際に定期テストがあったり、進学に向けて塾に通う必要を感じる家庭もあります。学習に追われるイメージは強くあると思われます。
メリットと思われることも、実は期待と釣り合いづらいものがあります。
子供のレベルが高い、と思われている方も多いですが、小学生の時点で子供の内面にはそれほど大きな違いはなく、それよりも環境的要因で成長の仕方が大きく違うことの方が影響が大きいです。
また、3の「指導力のある先生」についても、確率が上がると考えるのが無難です。入学した学校の先生が「お子さんに合うか」という点で考えると、あくまで「指導力のある先生・子供に合う先生」に出会う確率が高まる、という程度です。
札幌市内で附属学校を卒業するのが80名程度、私立小学校については数名(2024年度卒から50名程度)です。その子供たちがどんな中学・高校生になり、大学・社会人に向けてどんな人生を歩んでいるのか。これは、実際にその学校に通っていた保護者のみぞ知る…というところが大きく、そのメリットはその他の98%の保護者には伝わっていかない、というのが北海道の実情です。
しかし、最近この傾向に動きが見られます。私立小学校の台頭です。そして北海道に受験文化が少しずつ一般化してきています。その要因の一つが北海道外の「転勤族」の受験意識です。
北海道外から来た子育て世帯が驚くのが、「札幌に私立小学校が少ない」ということです。特に他の大都市部から来た世帯は、北海道・札幌市の受験文化の無さにビックリしている方をよく見かけます。私立小学校がたくさんある地域では、教育に熱心な家庭の子供はみんな私立小学校に行ってしまい、相対的に公立小学校のイメージが悪くなってしまう傾向にあります。北海道の公立小学校は、上記の大都市部の公立小学校より優秀なお子さんの比率も高く、特に「転勤族」の多い地域(札幌では桑園・宮の森地区など)の公立中学校の学力は、学力コンクール調べで北海道No.1です。周辺の中学も学力が高く、公立学校にそこまでネガティブに捉える必要はなさそうです。
とはいえ、だれでも自分の経験は行動に大きく影響します。成功体験であればなおさらです。こうして、「北海道外にルーツをもつ子供」が、多く受験に積極的に取り組み、結果として附属学校や私立小学校の在籍している児童に地元の子供が少ない…なんてことは実際に起こっていますし、この傾向は今後も続くことでしょう。卒業後のメリットも、子供はもちろん家庭ごとそのルーツの土地に帰ってしまうため、地元では「よくわからない」学校としてしか認知されなくなる悪循環が、もう起きています。
こうして、昔ながらの北海道民はそのチャンスを潰してしまっていると思うのです。私自身も中学受験をしていませんが、もしあの頃に戻れるなら、親を説得して中学受験をしていたと思います。知らないままにチャンスを失わないよう、情報発信することが私の務めの一つと考えています。
北海道「お受験(小学校受験)の実態」の記事はこれにて終了です。
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