小学生の問題集、どう選ぶ?親が押さえたい3つのポイント(1)

まずは、問題集を解く「最終的な目的」について確認しておきましょう。多くのご家庭にとって、その目的はやはり 「テストの点数を上げること」 ではないでしょうか。

もちろん、「学習に意欲的になる」「学習習慣が身につく」といった効果も大切です。しかし、これらはあくまで目的を達成するための“手段”であり、結果的にテストの点数が上がることで、さらにやる気が出たり、家庭学習が習慣化したりと、良い循環が生まれることもあります。

そこで本記事では、「テストの点数を上げる」という目的に向けて、次のような力の定着・向上が期待できるものを「よい問題集」と定義します。

  • 学習意欲
  • 学習習慣
  • 自己評価(自信)
  • 学び方(取り組み方)

そして、そんな「よい問題集」を選ぶために大切なポイントを、以下の3つに整理してご紹介します。


① 万能な問題集は存在しない
② 「よい問題集」は、子どもによって違う
③ 信念(目的)を明確にして問題集を選ぶ


「なんだか難しそう…」「結局どう選べばいいの?」と思われた方もご安心ください。この記事では、具体例を交えながら、実際に役立つ選び方のヒントをわかりやすくお伝えしていきます。

① 万能な問題集は存在しない

問題集を選ぶにあたって、一番大事なことは何でしょうか。それは「お子さんにぴったり合う問題集である」ことです。それでは、問題集に含まれる要素にはどんなものがあるのか整理してみましょう。

1. 学年・学力に合っているか

  • 学年相応の内容か、もしくは少し先取り・復習向けか
  • 難しすぎず、簡単すぎないレベル設定

2. 教科・目的に合っているか

  • 国語・算数・理科・社会・英語など、教科ごとの目的に合っているか
  • 苦手克服、応用力強化、受験対策など目的が明確か

3. 子どもの性格や学習スタイルに合っているか

  • イラストやカラーが多く、楽しく取り組めるタイプか
  • シンプルで集中しやすい構成か
  • 自分で進めやすい構成か、親のサポートが必要か

4. 問題の質と構成

  • 解説がわかりやすいか(図解・例題・ポイント整理など)
  • 問題のバリエーションが豊富か(基礎〜応用)
  • 反復練習ができる構成か

5. ボリュームと取り組みやすさ

  • 1日あたりの分量が適切か(無理なく続けられるか)
  • 全体のページ数や期間(1か月で終わる、学期ごとなど)

6. 自己評価や達成感を得られる工夫

  • チェックリストやシール、達成表などの仕掛けがあるか
  • テスト形式やまとめ問題で理解度を確認できるか

7. 価格と入手のしやすさ

  • コストパフォーマンス(価格に見合った内容か)
  • 書店やネットで手に入りやすいか

8. 保護者のサポートのしやすさ

  • 解答・解説が丁寧で、大人が教えやすいか
  • 学習の進め方がガイドされているか

以上の内容が問題集の要素として考えられます。

ただ、「中学受験のためには○○の問題集で勉強しないと…」といった考え方に、大人はつい陥りがちです。しかし、ここで言う「中学受験」という言葉には、具体的な子どもの姿が欠けていることが多いのです。

たとえば、

  • 現在の学力はどの程度か
  • 学習習慣は身についているか
  • 自分ひとりで学ぶ力(学び方)はあるか

といった視点が抜け落ちたまま、「逆算思考」と称して親がゴールを決め、一般論に基づいて問題集を選んでしまうのは、非常にリスクの高い選び方です。

これは中学受験用の問題集に限った話ではありません。たとえば「学年・学力に合っているか」という一見シンプルな基準も、

  • 学校の予習用なのか
  • 苦手克服のための復習用なのか
  • 検定や模試対策なのか

といった目的によって、選ぶべき問題集は大きく変わってきます。


では、子どもにとって本当に「よい問題集」とは、どのような基準で選べばよいのでしょうか?

次回の記事(記事②)では、前述の要素を含めながら、具体的な判断基準を整理してご紹介していきます。


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