【第2回】発達の段階に応じたプリント学習の取り組み方

プリント学習を始めるにあたって最も大切なのは、「子どもの発達の段階に合った内容を選ぶこと」です。小学校受験を意識すると、つい難しい問題に取り組ませたくなりますが、幼児期は認知・運動・言語などの発達に個人差が大きいため、無理のないステップで進めることが成功の鍵となります。

✏️ 手先の操作が中心の段階

まだ鉛筆をしっかり持てない、または線をなぞることが難しい段階では、プリントは「手を動かす楽しさ」を感じるツールとして活用します。シール貼り、色塗り、指でなぞる運筆練習など、遊び感覚で取り組める内容が適しています。この時期は、親が一緒に取り組むことで「プリント=楽しい時間」という印象を育てることが大切です。

🧠 基本的な認知力が育ち始めた段階

形の違いがわかる、数を数えられる、簡単な言葉の理解が進んできたら、図形や仲間分け、数の比較などのプリントにステップアップできます。この段階では、「できた!」という達成感を味わわせることが重要です。難しすぎる内容は避け、少し簡単に感じるくらいのレベルから始めることで、自信と意欲が育ちます。

なお、文字や数字の習得は、小学生になってからでも十分間に合います。焦って教え込むよりも、興味が自然に湧いてくるタイミングを待つ方が、定着もスムーズです。

🔍 思考力・集中力が高まってきた段階

ある程度の時間、机に向かって取り組めるようになったら、少しずつ応用的な内容に触れていきます。図形の分割・合成、位置関係、記憶・推理問題など、ペーパー試験で頻出の分野に親しむ準備段階です。

ただし、実際の入試問題に取り組むのは、もっと後の段階です。今は「考えることが楽しい」「できると嬉しい」と感じる経験を積むことが何より大切です。タイマーを使ってゲーム感覚にしたり、終わったらシールを貼るなどの工夫で、モチベーションを維持しましょう。


発達の段階に応じたプリント学習は、子どもの「できる」を引き出すための大切なステップです。親子で一緒に楽しみながら、無理なく、継続的に取り組むことで、小学校受験に必要な力が自然と育っていきます。

次回は、家庭でプリント学習を習慣化する方法と、子どものやる気を引き出すコツをご紹介します。


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