🔄第1回　cmとm、gとkg…なぜ混乱する？

「1.2mは何cmですか？」という問題に、子供が「12cm」と答えてしまうことがあります。これは、単位換算の基本である「100倍」の関係が理解できていない状態です。では、なぜこのような間違いが起こるのでしょうか？

単位換算は、単なる計算ではなく、「量の再表現」です。たとえば「1.2m＝120cm」は、「1mが100cmである」という関係を使って、同じ長さを別の単位で表しているだけです。しかし、子供たちは「1.2」と「120」の数字の違いに目を奪われ、量としては同じであるという感覚が抜け落ちてしまうことがあります。

この混乱の背景には、小数と整数の関係、そして「100倍」「1000倍」といったスケールの感覚が定着していないことがあります。たとえば「1kg＝1000g」という換算も、単位の違いだけでなく、数の大きさの違いを同時に理解しなければなりません。

さらに、単位換算は「かけ算・割り算」で処理されることが多いため、計算の意味が曖昧なままでは、正しく使えません。「kgをgにするには×1000」「cmをmにするには÷100」など、公式的に覚えていても、なぜその計算になるのかがわからないと、応用がきかなくなります。

単位換算は、量の関係性を理解する力を育てる絶好の機会です。単位を「記号」ではなく、「量の表現方法」として捉えることで、算数の文章題や理科の計算にもつながっていきます。

次回は、単位換算における「かけ算・割り算」の意味を深掘りし、公式に頼らずに理解する方法を考えていきます。

次回予告：

単位換算は「かけ算・割り算」だけじゃない？意味を伴った理解のために必要な視点とは。