🔄第3回 単位の理解が文章題の読解力につながる

「文章題が苦手なんです」という声は、算数の相談でよく聞かれます。計算はできるのに、文章になると手が止まる。実はその原因の一つが、単位の理解不足にあることをご存じでしょうか。

文章題では、「速さ」「割合」「密度」など、複数の単位が絡み合った情報が登場します。たとえば「秒速5mで20秒進むと何mか?」という問題では、「秒」と「メートル」の関係を理解していないと、ただの数字の操作になってしまいます。

単位は、量の意味を言葉で表すものです。つまり、単位がわかるということは、その量が何を表しているかを“読める”ということ。これは、文章題の読解力と直結しています。

たとえば「1人あたり3.2平方メートルの広さ」と言われたとき、「1人に対してどれくらいの空間があるか」という関係を読み取る力が必要です。これは、単位の意味を理解していないと、ただの数字にしか見えません。

また、単位の理解は、**算数の“言語力”**にもつながります。算数は計算だけでなく、「関係を言葉で説明する力」が求められる教科です。単位を正しく読み取り、使いこなすことは、算数の文章題を解くための“語彙力”を育てることでもあるのです。

単位換算を「計算のテクニック」としてだけでなく、「量の意味を読み解く力」として捉えることで、算数の文章題に強くなります。これは、単位の学習が単なる暗記ではなく、思考力と読解力を育てる学びであることの証です。

このシリーズでは、単位の本質に迫ることで、算数の“つまずき”をほどいてきました。次の学びにつながるヒントとして、ぜひ日常の中でも「この単位は何を表しているのか?」と問いかけてみてください。


このシリーズは今回で完結です。


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