表現力は、特別な練習だけで育つものではありません。
むしろ、日常の中でどれだけ「言葉のやりとり」があるかが、子どもの力を大きく左右します。
たとえば、夕食のときに「今日どうだった?」と聞くのはよくある会話ですが、ここで「楽しかった」「ふつう」だけで終わらせず、「どんな場面が楽しかった?」「ふつうって、どんな感じ?」と少しだけ深掘りしてみると、子どもは自分の気持ちを言葉にする練習になります。
大人が「聞く姿勢」を持つことで、子どもは安心して話せるようになります。
急かさず、否定せず、「そうなんだ」「それは面白いね」と受け止めるだけでも、子どもは「話していいんだ」と感じます。
また、子どもが何かを説明しようとしているときに、「それってつまりこういうこと?」と要約して返すと、言葉の整理の仕方を自然と学ぶことができます。
これは作文や面接での「伝える力」に直結します。
表現力は、語彙力や構成力だけでなく、「自分の気持ちを言葉にする経験」の積み重ねです。
日常の中で、ちょっとした問いかけや、話を聞く時間を意識するだけで、子どもの言葉は少しずつ豊かになっていきます。

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