「受験」の世界には、まことしやかな噂がたくさんあります。「受験時の服装は○○」「子どもの面接は必ず敬語で答えるべき」――こうした情報を耳にしたことがある方も多いでしょう。なぜ、こうした噂が広まるのでしょうか?

背景には、生存者バイアスがあります。合格した家庭の体験談は、SNSや口コミで簡単に見つかります。一方、うまくいかなかった事例はほとんど表に出ません。結果として、「合格した人がやっていたこと=正解」という誤解が生まれやすいのです。

しかし、その方法が成功したのは、その子の性格や家庭環境に合っていたからかもしれません。服装や言葉遣いは、あくまで一要素にすぎません。にもかかわらず、情報が偏ると「やらなければ不利になる」という不安が膨らみ、保護者は過剰な準備に走りがちです。

噂に振り回されると、子どもにとって負担になるだけでなく、本来の目的を見失ってしまいます。「受験」は、子どもの成長を支えるための一つの機会であり、ゴールではありません。大切なのは「正解探し」ではなく、その子に合ったサポートを考えることです。

次回は、情報をうのみにしないための視点を整理します。焦りや不安に流されず、子どもの成長を喜ぶ姿勢をどう保つか、一緒に考えていきましょう。


次回予告:第3回では「情報をうのみにしないための視点」をテーマに、複数の視点で情報を集める方法と、子ども軸で判断する重要性をお伝えします。


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