前回、「算数が好き」といっても中身が一つではない、という話をしました。
今回はその違いを、もう少しイメージしやすい形で考えてみます。
たとえば「お菓子が好き」と聞くと、多くの人は「食べるのが好きな子」を思い浮かべるのではないでしょうか。
美味しいものを食べて、うれしい気持ちになる。これはとても自然なことです。
一方で、「お菓子作りが好きな子」もいます。
この子は、必ずしも“食べること”だけを目的にしていません。
材料を混ぜたり、分量を調整したり、焼き加減を気にしたり。
ときには失敗することもありますが、その試行錯誤の時間そのものを楽しんでいます。
出来上がったときの喜びはもちろんありますが、それ以上に「作っている時間」が楽しいのです。
この違いは、そのまま算数にも当てはまります。
答えが出るから楽しい。
丸がつくからうれしい。
これは「お菓子を食べる楽しさ」に近いものです。
それに対して、
どうすれば解けるのかを考えたり、別の方法を試してみたり、少しずつ理解が深まっていく過程を楽しむ姿は、「お菓子作りを楽しむ子」によく似ています。
そして、ここで大事なのは、
どちらも「好き」であることに変わりはない、という点です。
ただし、難しい問題に出会ったときの強さには違いが出ます。
結果を楽しむ子は、うまくいかないと楽しさを感じにくくなります。
一方で、過程を楽しめる子は、うまくいかない時間そのものを面白さとして捉えることができます。
つまり、「楽しい」を感じる場所が違うのです。
算数という教科は、本来とても“作る”に近い性質を持っています。
だからこそ、どこに楽しさを見出すかが、その先の伸び方に大きく関わってきます。
次回は、その「楽しむための土台」について整理していきます。

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