15-1 「学校が怖い」はどこから生まれるのか

子どもが「学校が怖い」と口にしたとき、その言葉の裏には多くの場合、自分を守ろうとする防衛反応があります。強い不安や緊張に出会ったとき、人はそれ以上傷つかないように「怖い」という形でサインを出します。

特に子どもの場合、そのきっかけとなるのは「予想外の出来事」であることが少なくありません。たとえば、先生に大きな声で注意されたときや、今まで何も言われなかったことを突然指摘されたとき。子どもにとっては、「どうして今?」という戸惑いとともに、大きな不安として心に残ります。

ここで大切なのは、「怖がっている内容」だけを見るのではなく、「なぜそれが怖かったのか」に目を向けることです。同じ出来事でも、ある子には何でもないことで、別の子には強い恐怖として残ることがあります。その違いは、その子の経験の量や、これまでの予想の積み重ねによるものです。

つまり、「学校が怖い」という感情は、その子がまだ出会っていない世界に直面しているサインでもあります。怖さの背景には、「どうなるかわからない」という見通しのなさがあり、それが不安を大きくしています。

子どもは、本来こうした経験を通して、「こうするとこうなるかもしれない」と少しずつ予想できる範囲を広げていきます。しかし、その手前の段階では、すべてが不確かなものとして感じられてしまいます。

だからこそ、「怖い」という言葉には、「自分にはまだ整理できていないことがある」という意味が含まれているとも言えます。この視点を持つことで、子どもの言葉の受け取り方は少し変わってきます。

次回は、子どもが「怖い」と言ったときに、親がとりやすい対応と、その先に起こりうる変化について考えていきます。


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