前回、「正しいことを言っているのに、なぜかうまくいかない」という違和感を扱いました。
今回は、そのズレの正体を少しだけ掘り下げてみます。
一緒に勉強しているとき、
「そっちじゃなくて、こっちでしょ」
「そのやり方だと時間かかるよ」
「もっと簡単な方法あるよ」
こうした言葉は、内容としては間違っていません。
むしろ、より良い方法を伝えている「正しいアドバイス」です。
ただ、ここに一つのズレがあります。
それは、
「結果として正しいこと」と「今その人に必要なこと」は別である
という点です。
大人が見ているのは「より良い答え」です。
一方で、子供にとって必要なのは「答えにたどり着くまでの考え方」です。
この焦点の違いが、そのままズレになります。
さらにもう一つ大きいのは、主体の問題です。
本来、その問題を解いているのは子供のはずです。
考えたり、迷ったりする時間も含めて、その人の学びの時間です。
ところが、正しい方法をすぐに提示すると、
その瞬間から“考えている人”が入れ替わります。
子供が考える時間から、
大人が解いて見せる時間へ。
一見スムーズに進んでいるようでも、
そこで育つはずだった思考は、少しだけ通り過ぎてしまいます。
こう考えると、前回の違和感も少し見えてきます。
「正しいことを言っているのに、うまくいかない」のは、
内容ではなく、関わり方の中にズレがあるからです。
では、どう関わるといいのか。
次回は、その視点について考えていきます。

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