21-1 シリーズ①思考力はどこから 思考力の前に知識がいる

「最近の入試は思考力重視になった。」

よく耳にする言葉です。

例えば、工事現場で交通誘導をする人が持つ旗。多くの地域では赤と白ですが、雪の多い地域では白の代わりに青い旗を使うことがあります。

昔なら、

「何色の旗を使うでしょう。」

という問題だったかもしれません。

ところが最近は、

「なぜ青い旗を使うのでしょう。」

という形で問われることが増えています。

確かに、こちらの方が思考力を問う問題に見えます。

しかし、よく考えてみると、この問題も知識なしでは解けません。

雪は白いこと。

白いものは白い背景では見えにくいこと。

旗は見えてこそ意味があること。

こうした知識があるからこそ、

「雪にまぎれないように青を使うのではないか」

と考えることができます。

つまり、思考力とは知識の反対にあるものではありません。

知識がなければ考えることもできないのです。

私は最近の入試を見ていて、「知識が不要になった」とは感じません。

むしろ、

「知識を持っていること」

だけでなく、

「知識を使えること」

が求められるようになったのだと思います。

知識は土台です。

そして思考力とは、その土台を使って考える力です。

だから大切なのは、「覚えるか、考えるか」ではありません。

まず知ること。

そして、知ったことを使って考えること。

その両方が必要なのだと思います。


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