「最近の入試は思考力重視になった。」
よく耳にする言葉です。
例えば、工事現場で交通誘導をする人が持つ旗。多くの地域では赤と白ですが、雪の多い地域では白の代わりに青い旗を使うことがあります。
昔なら、
「何色の旗を使うでしょう。」
という問題だったかもしれません。
ところが最近は、
「なぜ青い旗を使うのでしょう。」
という形で問われることが増えています。
確かに、こちらの方が思考力を問う問題に見えます。
しかし、よく考えてみると、この問題も知識なしでは解けません。
雪は白いこと。
白いものは白い背景では見えにくいこと。
旗は見えてこそ意味があること。
こうした知識があるからこそ、
「雪にまぎれないように青を使うのではないか」
と考えることができます。
つまり、思考力とは知識の反対にあるものではありません。
知識がなければ考えることもできないのです。
私は最近の入試を見ていて、「知識が不要になった」とは感じません。
むしろ、
「知識を持っていること」
だけでなく、
「知識を使えること」
が求められるようになったのだと思います。
知識は土台です。
そして思考力とは、その土台を使って考える力です。
だから大切なのは、「覚えるか、考えるか」ではありません。
まず知ること。
そして、知ったことを使って考えること。
その両方が必要なのだと思います。

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