「どうしてそうなるの?」
子供にそう聞いたとき、
「わからない。」
「だってそう習ったから。」
という返事が返ってくることがあります。
前回までの記事で、「わかった」という言葉だけでは理解したかどうかはわからないことを書きました。
では、本当に理解しているかどうかを確かめるには、どうすればよいのでしょうか。
そのヒントが、「どうして?」という問いです。
学校では近年、「思考・判断・表現」が重視されています。
これは単に正解を出すだけでなく、「なぜそう考えたのか」を説明できることを意味しています。
例えば算数の問題で正解していても、
「どうしてそうなったの?」
と聞かれたときに答えられなければ、理解が曖昧な場合があります。
一方で、答えを間違えていても、自分の考え方を説明できる子はいます。
その場合は、あと少しで理解にたどり着くことも少なくありません。
つまり、学びの本質は正解そのものよりも、「どのように考えたか」の中にあるのです。
家庭では、つい結果に目が向きます。
「できた?」
「終わった?」
「正解だった?」
忙しい毎日の中では当然のことです。
しかし、もし少しだけ余裕があるなら、
「どうしてそう思ったの?」
「どこが難しかった?」
「お父さんにも教えて。」
と聞いてみてください。
すると子供は、自分の考えを言葉にしようとします。
その過程で、
「本当はよくわかっていなかった。」
「ここまでは説明できる。」
「ここから先が曖昧だった。」
ということに自分で気付き始めます。
これは誰かから教えられる気付きではありません。
子供自身が理解を整理する大切な時間です。
もちろん、「どうして?」が尋問になってしまってはいけません。
答えを追い詰めるためではなく、一緒に考えるための問いです。
だからこそ、正しく答えられるかどうかよりも、考えを話そうとすることに価値があります。
「わかった?」
で終わる対話から、
「どうして?」
へ進む。
その小さな変化が、子供の理解を深め、自分の考えを持つ力を育てていくのだと思います。
「わかった!」という言葉は、大切な学びの入り口です。
しかし、それだけでは理解したことにはなりません。
学校でも家庭でも、「わかった」という言葉が会話を終わらせる記号になってしまうことがあります。
だからこそ、
「どういうこと?」
「どうしてそうなるの?」
と問いかけることが大切です。
子供を疑うためではありません。
子供自身が、自分の考えを確かめ、本当の理解にたどり着くためです。
学びは、「わかった」の先にあるのだと思います。

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