「うちの子は嘘をつくような子じゃない。」
時々そんな思いを感じながら、お悩みの相談を受けることあります。
前回の記事でも書いたように、子供が「わかった!」と答えるとき、それは嘘をついているわけではありません。
しかし、だからといって本当に理解しているとは限りません。
ここで考えたいのは、「信じること」と「確かめること」は同じではないということです。
例えば学校では、先生が授業中に説明をしたあと、「わかった人?」と聞く場面があります。
多くの子供は手を挙げます。
けれど、その後に問題を解いてみると、うまくできないことがあります。
これは決して珍しいことではありません。
先生はそのことを知っているからこそ、説明の後に問題演習を行い、発表をさせたり、友達と話し合わせたりします。
つまり、「わかった」という返事だけでは理解の確認にならないことを前提に授業が進んでいるのです。
家庭ではどうでしょうか。
「持ち物わかった?」
「うん。」
「宿題のやり方わかった?」
「うん。」
この返事を聞いて、私たちは安心します。
しかしそれは、本当に理解したからでしょうか。それとも、ただ返事が返ってきたからでしょうか。
学校と家庭の大きな違いの一つは、確認の量かもしれません。
学校では、できるだけ様々な方法で理解を確かめます。
問題を解く。
説明する。
発表する。
友達の考えを聞く。
理解を多面的に見ようとします。
ところが家庭では、「わかった?」と聞いて「わかった!」と返ってくると、そのまま話が終わってしまうことがあります。
もちろん家庭は授業をする場所ではありません。
毎回テストをする必要もありません。
ただ、「わかった」という言葉だけで安心しすぎないことは大切です。
本当の信頼とは、「きっと大丈夫だろう」と確認をやめることではありません。
むしろ、「きっと理解できるようになる」と信じながら、一緒に確かめていくことではないでしょうか。
「どういうことだった?」
「どんな話だったの?」
「お父さんにも教えて。」
そんな一言があるだけで、子供は自分の理解を整理し始めます。
そして、その過程で初めて「あれ?よくわかっていなかったかも」と気付くこともあります。
信じることと、確かめることは対立するものではありません。
本当に信じているからこそ、一緒に確認する。
その積み重ねが、子供の「わかった」を本物にしていくのだと思います。

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