小学校受験における「行動観察」は、筆記試験とは異なり、子どもの集団の中での振る舞いや社会性、協調性などを評価する試験です。近年では多くの私立・国立小学校がこの形式を取り入れており、子どもの人間性や育ちの様子を見極める重要な要素となっています。
行動観察では、複数の子どもが一緒に活動する中で、教師や試験官がその様子を観察します。活動内容は学校によって異なりますが、代表的なものには以下のようなものがあります:
- 自由遊び:積み木やブロック、ままごとなどを使って自由に遊ぶ中で、他の子との関わり方や遊び方を見ます。
- 課題活動:グループで協力して何かを作る、話し合って決めるなどの課題を通じて、協調性やリーダーシップ、指示理解力を評価します。
- 運動やゲーム:簡単なルールのある遊びを通じて、指示への反応や集団行動の中での態度を見ます。
この試験で重視されるのは、「どれだけできるか」ではなく、「どう取り組むか」「どう関わるか」です。例えば、うまくできなくても、友達に助けを求めたり、最後まで諦めずに取り組む姿勢が評価されることがあります。
家庭でできる準備としては、日常の遊びの中で「順番を守る」「相手の話を聞く」「自分の気持ちを言葉で伝える」などの基本的な社会性を育てることが大切です。また、保育園や幼稚園での集団生活も、行動観察の力を養う場として非常に有効です。
行動観察は、子どもの自然な姿を見たいという学校側の意図があるため、過度な練習や演技は逆効果になることもあります。親としては、子どもが安心して自分らしく過ごせるよう、日々の関わりの中で心の育ちを支えていくことが何よりの準備になります。
次の記事では、面接について解説します。
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