🟡全３回　子どもの「学校に行きたくない」にどう向き合うか

「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき、親としては心配になります。先生との関係？友達とのトラブル？何か大きな問題があるのでは…と不安になるのは当然です。でも、そんなときこそ、一歩踏みとどまって考えることが大切です。

子どもが話す理由は、「先生が怖い」「友達とうまくいかない」など、親が動きやすいものが多いです。もちろん、それが事実である場合もあります。ただ、実際には「なんとなく行きたくない」「家でゲームしていたい」といった気持ちが背景にあることも少なくありません。

これは、大人にも似たようなことがあります。たとえば、仕事を休みたいとき、「今日は家でのんびりしたい」とは言いませんよね。職場やパートナーには「人間関係がうまくいっていない」「体調が悪い」といった“納得されやすい理由”を伝えることが多いでしょう。子どもも同じように、言いやすい理由を選んで話すことがあるのです。

だからこそ、親が不安に流されてすぐに「先生に言ってみるね」と動くのではなく、「あなたの話を聞いて、私はとても心配になった」と、まず自分の気持ちを伝えることが大切です。そのうえで、「先生に話してみるね」と伝えると、子どもが「えっ、それは困る」と反応することもあります。そうした反応から、話の背景にある本音が見えてくることもあるのです。

子どもの言葉をそのまま信じることも大切ですが、同時に、親として冷静に事実を確認する姿勢も欠かせません。このシリーズでは、子どもの不満をどう聞き、どう受け止め、どう対応していくかを、具体的な場面を通して考えていきます。

次回予告

第1回では、子どもの言葉に含まれる“演出”の可能性と、それを見極める親の対応について考えます。