📊科学的な考え方をしている人は「科学的に証明された」を簡単に信用しない(第1回/全3回)

「科学的に正しい」「科学的に証明された」——
育児本や教育書でよく見かけるこの言葉。
一見、信頼できそうに思えますが、実は科学的な考え方を大切にしている人ほど、この言葉をそのまま鵜呑みにしません。

なぜなら、科学的な証明とは「多くの事例で当てはまりやすい傾向がある」という意味であって、「すべての人に必ず当てはまる」わけではないからです。
特に子どもに関わる現場では、目の前の子ども一人ひとりが違う存在です。性格も、家庭環境も、成長のペースも、まったく同じ子どもは一人もいません。

現場の先生たちは、なるべく自分の思い込みやバイアスを排除しようと努力します。
「科学的に正しい」とされる方法も、あくまで“統計的にその可能性が高い”というだけ。
実際には、目の前の子どもに合うかどうかはやってみなければ分からないことが多いのです。

たとえば、「褒めて育てると自己肯定感が高まる」という説も、
ある子には効果的でも、別の子には逆効果になることもあります。
科学的な知見は大切ですが、それを“万能の正解”として扱うのは危険です。

だからこそ、科学的な考え方を大切にする人ほど、「科学的に証明された」という言葉に飛びつかず、
「この子にとってはどうだろう?」と一歩立ち止まって考えます。
現場の知恵と科学的知見、その両方をバランスよく使うことが、子どもにとって本当に大切なことだと私は思います。


次回予告

第2回では、「科学的な証明」とは何か?——その限界と誤解されやすいポイントについて、もう少し深掘りしていきます。


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