北海道の学力について語られるとき、ほぼ必ず話題に上がるのが、毎年4月に行われる全国学力・学習状況調査です。平均点や順位、各設問ごとの正答率が細かく分析され、「どこを改善するか」という議論が進められていきます。
この流れ自体は、とても真っ当で必要なものです。実際、私自身も教育委員会の立場として、そうした分析や研修、指導改善に関わってきました。
ただ、その中でずっと感じていた違和感があります。
「北海道の学力は本当に“低い”と言い切れるのか?」
平均点だけを見れば、確かに他都府県よりやや低い傾向があります。しかし、子供たちを上位層・中位層・下位層に分けて見ていくと、少し違った景色が見えてきます。
北海道は、極端に学習が苦手な子供が多いわけではありません。下位層の割合が特別に多いかと言えば、そうでもない。むしろ全国と大きな差はありません。
一方で、明らかに違うのが「上位層の少なさ」です。
つまり、平均点が低く見えるのは、全体ができていないからではなく、「伸び切っている層が少ない」ことに起因しているのではないか、というのが私の見立てです。
この視点に立つと、よく行われる「できなかった問題への対策」だけでは、根本的な改善にはつながりません。むしろ、「伸びるはずの子供が、伸び切る環境を持てていない」という問題に目を向ける必要があるのではないかと思うのです。
この違和感は、机上の分析だけで生まれたものではありません。実際に現場を歩く中で、少しずつ確信に変わっていきました。
次回は、その「現場で見えてきた実態」と、北海道ならではの背景についてお話しします。

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