子育ての話になると、
「親は笑顔でいましょう」
という言葉をよく耳にします。
確かに、その通りだと思います。
親がいつもイライラしている家庭よりも、安心して話せる家庭の方が、子供にとって居心地が良いはずです。
私も、親の笑顔は子供の成長にとって大切なものだと思っています。
ただ、第1回、第2回でお話してきたように、
子供は意外なほど親の反応をよく見ています。
だからこそ、少し気になることがあります。
それは、
「親の笑顔を失わないために頑張る子」
になってしまうことです。
例えば、
テストで良い点を取ったとき、
習い事で成果が出たとき、
先生に褒められたとき。
親がうれしそうな顔をすると、子供もうれしくなります。
これはとても自然なことです。
ところが、子供によっては、
「お母さんを喜ばせたい」
「お父さんをがっかりさせたくない」
という気持ちが強くなることがあります。
もちろん、その気持ち自体は悪いものではありません。
誰かのために頑張ることは素敵なことです。
しかし、それだけが行動の理由になってしまうと少し苦しくなります。
なぜなら、
親がいない場所でも、
大人になってからも、
自分で判断しなければならない場面はたくさんあるからです。
勉強も同じです。
親のために勉強する。
先生のために勉強する。
褒められるために勉強する。
こうした理由だけでは、どこかで苦しくなります。
一方で、
「知りたい」
「できるようになりたい」
「挑戦してみたい」
という気持ちは、長く続きます。
誰に見られていなくても取り組めるからです。
自己肯定感という言葉があります。
この言葉を、
「自分を好きになること」
と説明することもあります。
もちろん間違いではありません。
しかし私は、
「うまくいかない自分も受け入れながら前に進めること」
の方が近いように思います。
100点でも大丈夫。
80点でも大丈夫。
失敗しても大丈夫。
もちろん反省や改善は必要です。
でも、
結果によって自分の価値が決まるわけではない。
そう思えることが、本当の安心感につながります。
親の笑顔は大切です。
子供にとって大きなエネルギーになります。
でも、それだけでは足りません。
本当に育てたいのは、
親の笑顔を求め続ける子ではなく、
親が見ていなくても、
自分の考えで一歩を踏み出せる子です。
このシリーズでお伝えしたかったのは、
成績が大切ではないという話ではありません。
100点を目指すことが悪いという話でもありません。
その先にある、
「なぜ頑張るのか」
という部分を大切にしたいという話です。
点数。
褒め言葉。
親の笑顔。
どれも子供の力になります。
けれど最後に支えになるのは、
自分自身で進もうとする力です。
その力を育てるために、
私たち大人は少しだけ立ち止まり、
子供が本当に求めているものを考えてみてもよいのかもしれません。
シリーズまとめ
第1回では、子供が求めているのは100点そのものではなく、親とのつながりかもしれないという話をしました。
第2回では、褒められることが目的になると、挑戦する力が育ちにくくなる可能性を考えました。
そして第3回では、親の笑顔の大切さと、自立とのバランスについて考えました。
子供が自分の人生を歩んでいくために。
親の愛情と安心感を土台にしながらも、自分で考え、自分で進める力を育てていきたいものです。

コメントを残す