第1回、第2回でお伝えしてきたように、私は「体調管理」という言葉に少し違和感があります。
もちろん、健康を大切にすることは必要です。
しかし、それ以上に大切なのは、子どもの様子をよく見ることではないでしょうか。
ここで、一つ知っておいていただきたいことがあります。
私はこれまで、体調不良によって受験できなかったご家庭をたくさん見てきました。
そして、その多くは決して対策不足だったわけではありません。
手洗いうがいを徹底し、人混みを避け、睡眠にも気を配る。
中には受験直前の一か月間、幼稚園を休んで家庭で過ごしたご家庭もありました。
それでも体調を崩すときは崩します。
一方で、学校や幼稚園、習い事にも普段通り通い、普段通り試験当日を迎えたご家庭もありました。
もちろん、「だから対策は不要だ」と言いたいわけではありません。
親として、できることはしてあげたい。
後悔したくない。
そう思うのは自然なことです。
ただ、私たちは時々、
「何を目的にしていたのか」
を見失ってしまうことがあります。
学校を休むこと。
習い事を休むこと。
外出を控えること。
それらはすべて手段です。
目的ではありません。
本来の目的は、
子どもが良い状態で試験を受けること。
そのはずです。
では、子どもにとっての「良い状態」とは何でしょうか。
風邪をひいていないことでしょうか。
もちろんそれも大切です。
でも、それだけではありません。
気持ちが安定していること。
自分らしく過ごせていること。
不安が必要以上に大きくなっていないこと。
いつもの力を発揮できること。
そうしたことも含めて、「良い状態」なのだと思います。
だからこそ私は、マニュアル通りに行動することよりも、子どもを見ることを大切にしたいと思っています。
周囲からは様々な情報が聞こえてきます。
「○日前から学校を休んだ方がいい」
「習い事はやめた方がいい」
「ここで体調を崩したら終わりだ」
そんな話を耳にすることもあるでしょう。
中には、不安をあおることばかり話す人や、そうした発信をする塾もあります。
でも、本当に見るべきなのは、目の前にいるわが子です。
その子は今、どんな様子でしょうか。
学校へ行った方が元気になる子でしょうか。
友達と会うことで安心する子でしょうか。
いつも通り過ごすことで落ち着く子でしょうか。
それとも少し休んだ方が良い状態になる子でしょうか。
答えは、子どもの数だけあります。
だから私は、受験期こそ子どもを見てほしいと思っています。
もし不安があるなら、一人で抱え込まないでください。
相談してください。
子どもの様子を見ている人に。
学校でも、塾でも、ご家族でも構いません。
受験は不安になるものです。
だからこそ、「こうしなければならない」に縛られるのではなく、その子に合った選択を一緒に考えていけたらと思います。
受験当日に必要なのは、完璧に管理された毎日ではありません。
その子らしく、いつも通りの力を発揮できることです。
そして、その力を支えているのは、特別な受験生活ではなく、これまで積み重ねてきた日常なのだと私は思っています。

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