37-1 【算数あるある】あとひき肉があればハンバーグが作れたんです。

保護者の方とお話をしていると、よくこんな言葉を聞きます。

「問題を読んであげるとできるんです。」 「説明すると分かるんです。」 「式まで立ててあげれば、あとは解けるんです。」

私はそのたびに、少し意地悪なことを考えてしまいます。

それは、

「あとひき肉があればハンバーグが作れたんです。」

という言葉です。

もちろん、実際には口にしません。

でも、頭の中ではその言葉が浮かんでいます。

ハンバーグを作ろうとしている場面を想像してみてください。

玉ねぎはあります。 卵もあります。 パン粉もあります。 フライパンもあります。

でも、ひき肉がありません。

それでも、

「あとひき肉があればハンバーグが作れたんです。」

と言われたら、どうでしょう。

確かに間違いではありません。

でも、「ひき肉」がなければハンバーグは作れないのです。

私は、「問題を読んであげるとできるんです」という言葉を聞くと、少し似たものを感じます。

算数の問題を解くためには、

・問題を読む
・条件を整理する
・わかっていることとわかっていないことを見つける
・式に表す

という過程が必要です。

ところが、「読んであげるとできる」という状態は、その大切な部分を大人が代わりに行っている状態でもあります。

もちろん、だからといって「読めないからダメ」という話ではありません。

子供は発達の途中です。

読める文章の長さも違いますし、語彙も違います。

だからこそ、サポートは必要です。

ただ、そのときに忘れてはいけないことがあります。

それは、

ということです。

私たちはつい、算数というと計算を思い浮かべます。

足し算ができる。 引き算ができる。 かけ算ができる。

でも実際には、その前に「何を求めればよいのか」を考える力が必要です。

その力がなければ、正しい計算も使うことができません。

だから私は、「読んであげればできる」という言葉を聞くたびに、少し立ち止まって考えます。

その子に今必要なのは、計算練習だろうか。

それとも、文章から情報を取り出し、整理する経験だろうか。

算数で本当に育てたいものは何だろうか。

そんなことを考えるのです。

次回は、

「算数は計算の教科なの?」

というテーマで、もう少しこの話を掘り下げてみたいと思います。


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