保護者の方とお話をしていると、よくこんな言葉を聞きます。
「問題を読んであげるとできるんです。」 「説明すると分かるんです。」 「式まで立ててあげれば、あとは解けるんです。」
私はそのたびに、少し意地悪なことを考えてしまいます。
それは、
「あとひき肉があればハンバーグが作れたんです。」
という言葉です。
もちろん、実際には口にしません。
でも、頭の中ではその言葉が浮かんでいます。
ハンバーグを作ろうとしている場面を想像してみてください。
玉ねぎはあります。 卵もあります。 パン粉もあります。 フライパンもあります。
でも、ひき肉がありません。
それでも、
「あとひき肉があればハンバーグが作れたんです。」
と言われたら、どうでしょう。
確かに間違いではありません。
でも、「ひき肉」がなければハンバーグは作れないのです。
私は、「問題を読んであげるとできるんです」という言葉を聞くと、少し似たものを感じます。
算数の問題を解くためには、
・問題を読む
・条件を整理する
・わかっていることとわかっていないことを見つける
・式に表す
という過程が必要です。
ところが、「読んであげるとできる」という状態は、その大切な部分を大人が代わりに行っている状態でもあります。
もちろん、だからといって「読めないからダメ」という話ではありません。
子供は発達の途中です。
読める文章の長さも違いますし、語彙も違います。
だからこそ、サポートは必要です。
ただ、そのときに忘れてはいけないことがあります。
それは、
問題を読み取ることが、算数の中核である
ということです。
私たちはつい、算数というと計算を思い浮かべます。
足し算ができる。 引き算ができる。 かけ算ができる。
でも実際には、その前に「何を求めればよいのか」を考える力が必要です。
その力がなければ、正しい計算も使うことができません。
だから私は、「読んであげればできる」という言葉を聞くたびに、少し立ち止まって考えます。
その子に今必要なのは、計算練習だろうか。
それとも、文章から情報を取り出し、整理する経験だろうか。
算数で本当に育てたいものは何だろうか。
そんなことを考えるのです。
次回は、
というテーマで、もう少しこの話を掘り下げてみたいと思います。

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