レジリエンスとは、「つらいことや失敗があっても、気持ちを立て直して前向きにがんばる力」のことです。子どもたちは毎日の生活の中で、さまざまな小さな困難に出会います。たとえば、友だちとけんかをしたり、遊びで負けたり、思い通りにいかないことがあったりします。そんなときに、すぐにあきらめたり落ち込んだままになったりせず、「またやってみよう」「次はうまくいくかも」と思える力がレジリエンスです。
たとえば、幼稚園でブロック遊びをしていた子が、一生けんめい作った作品を友だちにうっかり壊されてしまったとします。最初は泣いてしまうかもしれません。でも、先生が「くやしかったね。でも、また一緒に作ってみようか」と声をかけることで、子どもは気持ちを切りかえて、もう一度チャレンジすることができます。こうした経験を重ねることで、子どもは「失敗しても大丈夫」「自分は乗りこえられる」と感じられるようになります。
また、運動会でかけっこに負けた子が、「くやしいけど、次はもっと練習してがんばる」と思えるのも、レジリエンスが育っている証です。こうした気持ちは、大人になってからも、仕事や人間関係などで困ったときに、自分を支えてくれる大切な力になります。
レジリエンスは、子どもがもともと持っている力だけでなく、まわりの大人の関わり方によっても育ちます。子どもの気持ちに寄りそい、「大丈夫だよ」「がんばったね」と声をかけることで、子どもは安心し、自信を持てるようになります。
このように、幼児期にレジリエンスを育てることは、子どもが将来、どんな困難にも負けずに生きていくための土台になります。毎日の小さなできごとを通して、子どもが「自分は大丈夫」と思えるように育てていくことが、幼児教育の大切な役割なのです。
②実態 に続きます
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