🌟第1回　「今やる！」で逃げられた経験が、逃げ方を育てる？

「今やる！」と言われて、親が「じゃあ待つね」と言った結果、やらなかった。
この経験、実は子供にとって“成功体験”になってしまうことがあります。

「今やる！」＝怒られずに済む魔法の言葉。
この言葉を使えば、面倒なことから一時的に逃げられる。
そんなふうに覚えてしまうと、子供はその後も同じ場面で「今やる！」を繰り返すようになります。これが誤学習です。

もちろん、親としては「信じたのに…」という気持ちになります。
でも、そこで「なんでやらないの！」と怒ってしまうと、子供は「やる気はあったのに怒られた」と感じてしまう。
このすれ違い、実は親の気持ちが伝わっていないことが原因かもしれません。

だからこそ、怒る前に「わたしはこう思う」と言葉にしてみることが大切です。
たとえば――
「今やるって言ってくれたのは嬉しかった。でも、やらなかったら、わたしはがっかりするよ」
「信じた分だけ、やらなかったときに悲しくなるんだよ」

こうした言葉は、子供にとって“責められている”のではなく、“気持ちを伝えられている”と感じられるもの。
そして、親の気持ちが伝わることで、「今やる！」を使って逃げることが、だんだんと減っていきます。

誤学習は、親の対応次第で修正できます。
次回は、親の気持ちをどう伝えれば、すれ違いを減らせるのか。
「わたしはこう思う」の言葉が持つ力について、もう少し深く掘り下げてみましょう。

🔜次回予告（第2話）

「わたしはこう思う」で、すれ違いは減らせる？
親の気持ちを言葉にすることで、誤学習を防ぎ、関係を育てる方法を探ります。