🌟第3回 「今やる!」が本当に“今”になる家庭の工夫

「今やる!」が本当に“今”になる。
そんな夢のような瞬間、あります。
でも、それは偶然ではなく、ちょっとした習慣や声かけの積み重ねで生まれるものです。

子供の時間感覚は、大人ほど明確ではありません。
「あとでやる」と言っても、その“あと”がいつなのか、本人もよくわかっていないことが多い。
だからこそ、時間の見える化が効果的です。

たとえば――
「じゃあ、時計の長い針が“6”になったら始めようね」
「この曲が終わったら、宿題にしようか」
「タイマーを10分セットするから、それが鳴ったら始めよう」

こうした声かけは、子供にとって“今”を具体的にする手助けになります。
「今やる!」が“今”になるためには、“今”がどんな状態かを共有することが大切なのです。

そしてもうひとつ大事なのが、親の気持ちを言葉にすること。
第2話でも触れましたが、「わたしはこう思う」と伝えることで、子供は親の期待や気持ちを理解しやすくなります。

「今やるって言ってくれたの、すごく嬉しかったよ」
「始めるのが早いと、わたしも安心できるんだ」

こうした言葉は、子供の行動を肯定し、次につながる“成功体験”になります。
誤学習ではなく、良い学習を積み重ねることができるのです。

「今やる!」が口癖になっている子も、少しずつ“今”の意味を理解し、行動に移せるようになります。
そのためには、親が焦らず、怒らず、でも諦めずに、言葉と習慣で寄り添うことが大切です。

このシリーズでは、「今やる!」という言葉に潜む誤学習と、すれ違いを減らすための親の工夫を見てきました。
子育ては、うまくいかないことの連続。でも、ちょっとした言葉や習慣が、子供の行動を変えるきっかけになります。

「今やる!」が本当に“今”になる日を、楽しみに待ちながら。
親子のすれ違いが、少しずつ減っていきますように。


🔚シリーズ完結のお知らせ

全3話+第0話でお届けした『子供の「今やる!」は本当に今なのか?』シリーズは今回で完結です。
次回シリーズもお楽しみに!


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