「時速って、どういう意味?」
FUYUNOの授業ではよく問われる、「○○ってどういう意味?」シリーズの一つです。
「速さ=道のり÷時間」という公式を覚えている子は多いです。問題文に出てきた数字を当てはめて、計算して、答えを出す。テストでも正解になるし、点数も取れます。でも、ふと「時速って何?」と聞いてみると、「うーん…速さのこと?」と、言葉に詰まってしまう子も少なくありません。
たとえば「時速60km」とは、「1時間で60km進む速さ」のことです。つまり、「1時間あたりに進む距離」を表しています。この“1時間あたり”という感覚が持てているかどうかが、理解の分かれ道になります。
算数の学びで大切なのは、「意味を理解しているか」ということ。公式を使って答えを出せることも大事ですが、それだけでは不十分です。意味がわかっていないまま進んでしまうと、少し複雑な問題に出会ったときに、急に手が止まってしまいます。
これは、算数を“記号の処理”として捉えている状態です。問題文に出てきた数字を見て、「あ、これはこの公式を使えばいいんだな」と反射的に計算する。でも、その背景にある意味や状況を理解していないと、応用がきかなくなってしまうのです。
「速さ」の単元は、小学校第5学年「単位量あたりの大きさ」のすぐ後に登場します。「単位量あたりの大きさ」では求めた数量がどんなものか少しイメージしづらい(例:畳一枚あたり1.66人など)ですが、「速さ」は比較的身近で、単位量当たりの大きさとしてはイメージしやすい数量です。このタイミングで「この言葉、どういう意味?」と問いかけることがとても大切です。
子どもが「うまく説明できない」と感じたとき、それは“わかっていない”のではなく、“言葉にする経験が足りていない”だけかもしれません。そんなときは、焦らずに一緒に考えてみてください。「1時間で60kmって、どんな感じかな?」「札幌から小樽までって何kmくらいだっけ?」と、身近な例に置き換えて話すと、子どももイメージしやすくなります。
次回は、「1/3って、どれくらい?」という問いを通して、分数の“意味”について考えてみたいと思います。

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