「過去問をたくさん解けば安心」
そう思っている保護者の方は多いのではないでしょうか。確かに過去問は入試対策の王道です。しかし、過去問を使って子どもを本当に成長させるには、指導者に高度な専門性が必要です。

なぜでしょうか?
過去問は単なる「問題集」ではありません。そこには、出題者の意図や学年ごとの学びの積み重ねが詰まっています。例えば、ある図形問題を解くためには、4年生で習う角度の基本、5年生で学ぶ面積の考え方、そして6年生で身につける比の感覚が必要になることがあります。こうした背景を理解せずに「この問題はこう解く」と教えるだけでは、子どもの思考力は育ちません。

さらに、過去問を解く過程で子どもがどこでつまずいているのかを見極める力も欠かせません。計算力が足りないのか、文章理解に時間がかかっているのか、それとも図形のイメージが曖昧なのか。原因を正しく分析できなければ、的確なサポートはできません。

つまり、過去問を扱う指導者に必要なのは、

  • 算数教育の系統的理解
  • 子どもの資質・能力の分析力
  • 適切な指導法の引き出し

この3つです。過去問を「解き方の暗記」に使うのではなく、「考え方を育てる道具」に変えるためには、こうした専門性が不可欠なのです。

過去問を持っていることと、過去問で子どもを伸ばせることは、まったく別物。ここを見極めることが、保護者にとって最も重要なポイントです。


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