「専門性って、結局何なの?」
中学受験で子どもを伸ばすために、指導者が持つべき力は3つあります。過去問を使うだけでは不十分。その理由を、専門性の三要素から見ていきましょう。
①算数教育の深い理解
算数は積み重ねの教科です。角度の問題を解くには、4年生で習う基本、5年生で学ぶ面積、6年生で身につける比の感覚が必要になることがあります。こうした学びの系統を理解していないと、指導は「その場しのぎ」になり、子どもの思考力は育ちません。
②問題を解くための資質・能力の見極め
「できない=知識不足」と思いがちですが、実際には論理力、処理スピード、表現力など複数の要素が絡んでいます。どこでつまずいているのかを分析する力がなければ、的確なサポートはできません。
③つまずきやすいポイントと指導法
間違えたら解き直し、だけでは不十分です。子どもの思考過程を観察し、声かけや補助を変える必要があります。たとえば「図を描いて整理しよう」と促すだけで理解が進むこともあります。
この三要素が揃って初めて、過去問は“ただの問題集”から“考え方を育てる道具”に変わります。専門性とは、子どもの頭の中を見に行く力なのです。

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