📚なぜこの専門性を持つ指導者は少ないのか(3/3)

「過去問を解ける先生なら安心」
そう思ってしまうのは自然なことです。しかし、過去問を扱うだけで子どもを伸ばせるわけではありません。なぜなら、本当の専門性を備えた指導者は非常に少ないからです。

その理由は、専門性に必要な要素が多く、どれも高いレベルで求められるからです。算数教育の系統的理解、問題を解くための資質・能力の分析、つまずきやすいポイントと指導法。この3つをすべて深く理解し、実践できる人は限られています。

多くの指導は「解き方」や「テクニック」に偏りがちです。もちろん、それも必要ですが、それだけでは子どもの思考力は育ちません。過去問を“正解に導く道具”ではなく、“考え方を育てる道具”に変えるためには、子どもの頭の中を見に行く力が不可欠です。

保護者にとって大切なのは、指導者選びの視点を変えることです。「過去問をどれだけ持っているか」ではなく、「過去問をどう使って子どもの力を伸ばすか」。その違いが、受験の結果だけでなく、子どもの未来を大きく左右します。