「自信をつけてあげたい」「自己肯定感を育てたい」。
そう願って、子供がうまくできたときにたくさん褒める。とても自然な姿勢です。
けれど実は、「できた瞬間」そのものだけを大事にしても、肯定感は強くなりにくいことがあります。
大切なのは、できたかどうかではなく、そこに至るまでの変化を、あとから自分で確かめられるかです。
肯定感が育つ瞬間は、
「できなかった → 努力した → できるようになった」
この流れを自分の中で一本の線としてつなげられたときです。
たとえば、前は解けなかった問題が今は解ける。
以前は時間がかかっていた作業が、少し楽にできる。
こうした変化は、積み重なっている最中よりも、振り返ったときに、はっきりと実感されます。
ここで注意したいのが、「褒めすぎ」の問題です。
「すごいね」「完璧だね」を重ねすぎると、子供は“今の自分”に満足します。満足は、決して悪いものではありません。ただ、そこで止まってしまうと、「もう少しがんばろう」という力を削いでしまうこともあります。
必要なのは、
・少し背伸びをしないと届かない目標
・がんばればできそうだと思える感覚
・続けて取り組める環境
そして何より、成長した“あと”に、過去の自分を見返す時間です。
「前はここでつまずいていた」
「それでも続けたから、今ここまで来た」
この確認こそが、「自分は変われる」という確かな肯定感を育てます。
肯定感とは、「自分はできる人間だ」と思い込むことではありません。
努力を重ねることで、昨日の自分を越えられると知っていること。
その感覚は、振り返りの中でこそ、静かに、しかし確実に育っていきます。

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