テストの答案を見ていると、
「この子は本当にわかっていなかったのだろうか」
と考えることがあります。
もちろん、理解できていない問題もあります。
しかし、よく見てみると、途中までは正しく考えられているのに最後まで書き切れていない答案も少なくありません。
私は最近、その背景にある「書く速さ」に注目しています。
ここでいう書く速さとは、字の上手下手ではありません。
頭に浮かんだことを、紙の上に素早く表現する力のことです。
例えば算数では、
考え方はわかっている。
途中式も正しい。
しかし、後半の問題にたどり着く前に時間がなくなる。
あるいは国語では、
答えの方向性は合っている。
けれど、文章を書いているうちに最後の大問にたどり着いたあたりで時間切れになる。
そんなことがあります。
保護者の方からすると、
「発展問題ができない?」 「説明文が苦手なのでは?」
と思うかもしれません。
しかし実際には、
理解する力と、書き切る力は同じではありません。
字を書くのが苦手な子は、
・途中計算に時間がかかる
・問題用紙に書いた答えを転記するのに時間がかかる
・ミスが多く、気付いて直すのに時間がかかる
といった傾向があります。
もちろん丁寧さは大切です。
しかしテストでは限られた時間の中で、自分の考えを表現しなければなりません。
どんなに良い考えを持っていても、答案に残らなければ評価することはできません。
だから私は、
「何点だったか」
だけではなく、
「どこで時間を使っているか」
も大切な情報だと考えています。
空欄が多い。
最後まで終わらなかった。
途中で止まっている。
そうした答案には、理解不足とは別の課題が隠れていることがあります。
では、この「書く力」はどのように育てていけばよいのでしょうか。
実は昔からある学習方法の中にも、そのヒントが隠れています。
次回は、多くの人が計算練習として考えている「百ます計算」の意外な効果についてお話しします。

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