子供は成績が欲しいのか、それとも親の笑顔が欲しいのか

第2回です。


私は褒めることに反対ではありません。

むしろ大切だと思っています。

ただ、「褒めることは良いことだ」と考えた瞬間に見えなくなるものがあります。

それは、

子供が何を求めて行動しているのか

という視点です。


例えば、テストで100点を取った子供に、

「すごいね!」

「えらいね!」

「頭いいね!」

と伝える。

これは決して悪いことではありません。

実際に子供もうれしいでしょう。

しかし、そのやり取りが何年も続くと、少しずつ変化が起きることがあります。


子供は本来、

「わかった!」

「できた!」

「おもしろい!」

という喜びを持っています。

ところが、

100点を取るたびに親が喜び、

90点だと反応が薄くなり、

80点だと心配される。

そんな経験を繰り返すうちに、

いつしか目標が

「学ぶこと」から「褒められること」へ

変わってしまうことがあります。


心理学では、人から認められたい気持ちを「承認欲求」と呼びます。

承認欲求そのものは悪いものではありません。

私たち大人も同じです。

仕事を頑張ったときに感謝されればうれしいですし、誰にも認められなければ少し寂しくなります。

だから子供が褒められたいと思うのも自然なことです。

問題は、

褒められることだけが行動の理由になること

です。


たまに、

「失敗を極端に恐れる子」

がいます。

その背景を見ていくと、

失敗そのものが怖いのではなく、

失敗した後の周囲の反応を怖がっている場合があります。

期待を裏切りたくない。

がっかりされたくない。

褒められなくなるのが不安。

そんな気持ちです。


すると挑戦よりも、

「確実に成功できること」

を選ぶようになります。

新しいことに挑戦しなくなる。

難しい問題を避ける。

間違いを隠す。

これでは本当の意味で成長しづらくなります。


では、褒めてはいけないのでしょうか。

もちろん違います。

大切なのは、

結果だけを褒めないこと

です。

100点だから褒める。

勝ったから褒める。

できたから褒める。

だけではなく、

考えたこと

工夫したこと

続けたこと

挑戦したこと

にも目を向けてみる。


そしてもう一つ大切なのは、

褒める前から価値のある存在だと伝わっていることです。

100点だから好き。

頑張ったから好き。

ではなく、

100点でも50点でも、

頑張れた日でも頑張れなかった日でも、

大切な存在であること。

その安心感があるからこそ、

子供は失敗を恐れず挑戦できます。


褒めることは大切です。

でも、本当に育てたいのは

「褒められるために頑張る力」

ではありません。

褒められなくても、

誰かに見られていなくても、

自分で考え、自分で進む力です。

自己肯定感とは、

周囲から評価され続けることではなく、

評価がなくても自分を信じられることなのかもしれません。


次回予告

第3回は、

「親の笑顔は大切。でも、それだけでは足りない」

です。

子供にとって親の笑顔は大きな力になります。

しかし、自立という視点で考えると、笑顔だけでは育たないものもあります。

親子関係と自立のバランスについて考えてみたいと思います。


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です