私は塾講師をしています。
ありがたいことに、これまでたくさんの子供たちと関わり、勉強を教えてきました。
ですから、「勉強を教える」ということだけなら、それなりに自信があります。
それでも私は、自分の子供を別の塾に通わせました。
「家で教えればいいのでは?」
そう思われる方もいるかもしれません。
実際、私自身もそう考えたことがあります。
しかし、親子の勉強には、教え方の上手い下手だけでは解決できない難しさがあるのです。
親子は勉強だけの関係になれない
学校の先生や塾の先生は、「教える人」です。
その時間は勉強に集中できます。
一方で、親は違います。
ご飯を作り、送り迎えをし、体調を心配し、ときには生活習慣について注意もします。
子供にとって親は、「先生」ではありません。
毎日の生活を共にする大切な存在です。
だからこそ、勉強の場面でも、純粋に勉強だけの話になりにくいのです。
親が
「どうして間違えたの?」
と言ったつもりでも、
子供には
「怒られている」
「期待に応えられていない」
と聞こえることがあります。
教える側も感情が入る
難しいのは子供だけではありません。
親もまた感情が入ります。
「この前も説明したよね」
「もう少し頑張ってほしいな」
「このままで大丈夫かな」
そんな心配が積み重なっていきます。
本当は応援したいだけなのに、いつの間にか厳しい言葉になってしまうこともあります。
これは親の未熟さではありません。
子供を大切に思っているからこそ起こる、ごく自然なことです。
教え方の問題ではない
親子で勉強がうまくいかないと、
「教え方が悪いのかな」
「もっと優しく言えばよかったかな」
と考えてしまいます。
もちろん伝え方を工夫することは大切です。
でも、根本的な原因はそこだけではありません。
親子の勉強は、
- 勉強
- 心配
- 期待
- 愛情
- 甘え
こうしたものが全部重なった状態で行われます。
だから難しいのです。
むしろ、難しくて当たり前なのかもしれません。
次回予告
では、なぜ学校や塾ではうまくいくのでしょうか。
先生の方が親より教えるのが上手だから?
実は、それだけではありません。
次回は、
「先生にはできて、親には難しいこと」
について考えてみたいと思います。

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