36-1【試験直前の体調管理】体調管理という言葉に違和感がある

受験が近付くと、あちこちで「体調管理」という言葉を耳にするようになります。

規則正しい生活をしましょう。 睡眠時間を確保しましょう。 手洗いうがいを心掛けましょう。 人混みを避けましょう。

どれも間違いではありません。むしろ大切なことです。

ただ、私は以前から「体調管理」という言葉に少し違和感を持っています。

もちろん、健康を大切にすることに違和感があるわけではありません。

違和感があるのは、「管理」という部分です。

受験が近付くにつれて、私たち大人は不安になります。

もし試験当日に熱が出たら。 もし直前に体調を崩したら。 もし家族から風邪をもらったら。

そう考えると、少しでもリスクを減らしたくなります。

学校を休む。 習い事を休む。 外出を控える。

そうした選択をするご家庭もあるでしょう。

それ自体を否定したいわけではありません。

子供を思う気持ちの表れですし、それぞれのご家庭が考えて決めたことです。

しかし、その一方で私はこうも思います。

私たちは、本当に体調を管理できるのでしょうか。

十分に睡眠をとった日でも体調を崩すことがあります。

手洗いうがいを徹底していても風邪をひくことがあります。

反対に、忙しい日が続いても元気に過ごせることもあります。

人間の体は思ったほど単純ではありません。

そして、子供たちはなおさらです。

大人が考える以上に繊細で、複雑です。

だから私は、「管理する」という言葉に少し立ち止まりたくなります。

管理という言葉には、どこか

「正しく行えば思い通りになる」

という響きがあります。

けれど、子供の心や体は機械ではありません。

決まった手順を守れば、必ず良い状態になるわけではないのです。

受験が近付くと、私たち大人の目はどうしても結果に向かいます。

体温。 睡眠時間。 食事。 勉強時間。

数字で確認できるものに意識が向きます。

でも、子供を支えているものは本当にそれだけでしょうか。

友達と笑った時間。

先生との何気ない会話。

いつもの習い事。

家族との食卓。

そんな何気ない毎日が、心や体を支えていることも少なくありません。

だから私は、体調管理という言葉を聞くたびに、

「何を管理するのだろう」

と考えます。

受験期に大切なのは、管理することではなく、子供の様子をよく見ることなのかもしれません。

今日は元気そうかな。

少し疲れているかな。

何か気になることがあるのかな。

そんな小さな変化に目を向けることの方が、ずっと大切な気がしています。

体調管理が悪いと言いたいのではありません。

健康を大切にすることは必要です。

ただ、私が気になるのは、

「管理できる」と思ってしまうこと。

受験が近付くほど、私たちは不安になります。

だからこそ、管理することよりも、まず子供をよく見ること。

その視点を忘れたくないのです。

次回予告

体温や睡眠時間は記録できます。

けれど、不安や緊張、焦りは数字になりません。

次回は「管理できるものと、できないもの」について考えてみたいと思います。


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