SNSやインスタで「習っていないことを書いたらバツをつけるのは、学校としてどうなの?」という話題を見かけることがあります。確かに、子どもが頑張って答えを書いたのにバツをつけられると、親としては「え、なんで?」と思いますよね。でも、これにはちゃんとした理由があります。

学校のテストは、単に正解を出すことだけが目的ではありません。特に算数では「筋道立てて考える力」を育てることが大切です。つまり、論理的に考える力を評価する仕組みになっています。テストはその力を見える化するためのもの。だから、習っていないことを使って正解してしまうと、本来評価したい「考える力」が見えなくなってしまうのです。

一方で、塾では「すぐに成果を出す」ことが求められます。家庭は成績が上がらない塾に通わせ続けませんから、塾は「丸がつくためのスキル」を優先しがちです。結果として、習っていないことでも簡単なやり方を覚えれば丸がつく、という状況が生まれやすくなります。

学校がそれを避けたい理由は明確です。「分からないことは、本人が気付く」ことが学びの本質だからです。学習指導要領でも「学びに向かう姿勢」の中で、自分の理解を客観視する力(メタ認知)が重視されています。習っていないことを使ってしまうと、この力が育ちません。

だから、バツをつけるのは学校や先生の意地悪ではなく、教育的な必然なのです。学校は「論理的思考とメタ認知」を守るために、習っていないことを使う姿勢を明確に否定しています。


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