「学習」とは何でしょうか。
私たちはつい、勉強して知識が増えることを学習だと捉えがちです。しかし、教育心理学の分野では、学習は少し違った意味で定義されています。
教育心理学では、
学習とは「経験によって生じる、比較的永続的な行動の変容」
だと考えられています。
少し難しく聞こえるかもしれませんが、言い換えるととてもシンプルです。
学習とは、「知ったあとに行動が変わったかどうか」。そこが大事だということです。
たとえば、時計の読み方を覚えたとします。
ただ読めるようになっただけでは、学習の途中にすぎません。
「5分前に家を出よう」「あと10分で切り上げよう」と、時間を見て行動を調整できるようになってはじめて、学習が成立したと言えます。
この視点で見ると、「挨拶」はとても分かりやすい行動です。
挨拶というのは、ほとんどの子が「した方がよい」と知っています。
それでも実際にできる子と、できない子がいます。この差は、知識の差ではありません。
挨拶をするという行動は、多くの子供にとって本来それほど大きな負担ではありません。
それを促されても行動に移せない場合、知っていても行動を変えられないという状態にある可能性が高いのです。
ここで起きているのは、まさに学習の問題です。
挨拶ほどシンプルな行動でも変えられないのであれば、授業で新しく学んだ内容を、自分の判断で使いこなすことは簡単ではありません。
体験授業などで、最初に挨拶を求めるのは、礼儀の確認が目的ではありません。
学んだことを行動へつなげられるかどうか、その入り口を見ているのです。
学習とは、ノートに書けることではなく、テストの点数だけでもありません。
行動が変わったかどうか。
挨拶は、その変化が最も分かりやすく現れる行動だと、私は考えています。

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